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第16回目として紹介させていただく研究レポートは、早稲田大学 消費者金融サービス研究所によるレポートで、「英国貿易産業省(DTI)による過重債務問題タスクフォース報告書」の翻訳です。同報告書は英国における過重債務の原因と対策をまとめたものです。当レポートを紹介させていただくにあたり、英国の消費者信用市場や法的環境を加筆させていただき、英国の実態とその対応をよりわかりやすくまとめております。
[概要]
英国の貿易産業省は2000年10月、同国における消費者債務問題の拡大を受け、この問題を専門的に検討する作業部会を意味する“タスクフォース”を発足。その成果として、「過重債務問題タスクフォース報告書」をまとめた。これらは2001年7月から2003年1月にかけて3種類の報告書や調査結果という形で公表され、英国における消費者借入の実態や債務問題が起きる原因に関する詳細な検証、および問題解決に向けての重要な提言を行った。
この報告書からは、次のようなタスクフォースの基本的な視点がうかがわれる。
- 既存商品・貸付方法などの見直しや変更を提案する場合は、それによって貸し手・借り手のいずれにも不公平が生じないようバランスに配慮すること。
- その変革に伴うコストよりも、消費者が受けるメリットの方が大きくなること。
- それらの提案が真に効果的なものであるかどうか、消費者の代表に検証してもらうこと。
- いかなる提案も、消費者信用市場に歪みをもたらすものとならないよう保証すること。
すなわち規制を強化するのではなく、いかに市場機能が最大に発揮される仕組みを作るかという基本的な考え方に立ち、貸し手・借り手の双方に対して公平なスタンスから、貸付慣行や消費者教育のあり方について検討し、提言している点が最大の特徴である。
また現在の英国の市場環境は決して悪い状態にはないが、将来的な経済環境の悪化に備え、現段階から市場健全化のための仕組み作りに取り組もうとしていることも、行政のあり方として大いに注目できる。こうしたタスクフォースの取り組みは、多重債務問題が深刻化するわが国にも大いに参考になるものと思われる。 |